Q&A

Q&A

最近改正された労働関係法

労働契約法の改正点は次の通りです。
1. 無期労働契約への転換(第18条)

同一の使用者との間で、有期労働契約が5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します。
このルールは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を図ることを目的としています。
通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象です。平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、通算契約期間に含めません。

申込み 平成25年4月1日以後に開始した有期労働契約の通算契約期間が5年を超える場合、その契約期間の初日から末日の間に、無期転換の申込みをすることができます。この申込みは、労働者の権利(無期転換申込権)であり、申込みをするかどうかは労働者の権利です。

転換

無期転換の申込みをすると、使用者が申し込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約がその時点で成立します。無期に転換されるのは、申込み時の有期労働契約が終了する翌日からです。
①の申込みがなされると③の無期労働契約が成立するので、②時点で使用者が雇用契約を終了させようとする場合は、無期労働契約を解約(解雇)する必要がりますが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合」には、権利濫用に該当するものとして解雇は無効になります。
また、②時点より前に使用者が有期契約労働者との契約関係を終了させようとする場合は、これに加えて、有期労働契約期間中の解雇となるので、「やむを得ない事由」がある場合でなければ解雇することはできません。
なお、解雇については当然に労働基準法第20条の解雇予告等の規定の適用があります。
無期労働契約

無期労働契約の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)は、別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一になります。別段の定めをすることにより、変更可能です。
「別段の定め」とは、労働協約、就業規則、個々の労働契約(無期転換に当たり労働条件を変更することについての労働者と使用者との個別の合意)が該当します。
この場合、無期転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後の労働条件を低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではありません。
なお、就業規則により別段の定めをする場合、労働契約法第7条から第10条までに定められている就業規則のルールを変更するものではありません。
更新

無期転換を申し込ませないことを契約更新の条件とするなど、あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることはできません(法の趣旨から、そのような意思表示は無効と解されます)。

通算契約期間

(1) クーリング
カウントの対象となる契約期間が1年以上の場合、有期労働契約とその次の有期労働契約の間に、契約がない期間が6か月以上あるときは、その空白期間より前の有期労働契約期間は通算契約期間に含めません。これをクーリングといいます。
カウントの対象となる契約期間が1年未満の場合、「カウントの対象となる有期労働契約の契約期間(2つ以上の有期労働契約があるときは通算した期間)」の区分に応じて、「契約にない期間」がそれぞれ次の表の右欄掲げる期間に該当するときは、契約期間の通算がリセットされます(クーリングされます)。
その次の有期労働契約の契約期間から、通算契約期間のカウントが再スタートします。

カウント対象となる 有期労働契約の契約期間 契約がない期間
2か月以下 1か月以上
2か月超~4か月以下 2か月以上
4か月超~6か月以下 3か月以上
6か月超~8か月以下 4か月以上
8か月超~10か月以下 5か月以上
10か月超~ 6か月以上
(2) カウント方法

(a) 通算契約期間は、「同一の使用者」ごとに計算します。
有期労働契約の契約期間の途中や契約期間の満了の際に勤務先の事業場(事業所)が変わった場合でも、同じ事業主に事業場(事業所)間の移動であれば、契約期間は通算され、無期転換の申込みができるかどうかが判断されます。
(b) 通算契約期間の計算は、労働契約の存続期間で計算します。
育児休業などで勤務しなかった期間も、労働契約が続いていれば通算契約期間にカウントされます。一方で、有期労働契約の前後に契約のない期間がある場合、その期間は通算契約期間にカウントされません。
(c) 通算契約期間の計算は、暦を用いて、年、月、日の単位で行います。
契約期間の初日から計算して、翌月の応当日(月違いの同日)の前日をもって「1か月」とします。複数の契約期間については1か月未満の端数がある場合には、その端数どうしを合算した後に、30日をもって1か月に換算(繰り入れ)します。
労働契約法A
2. 「雇止め法理」の法定化(第19条)

有期労働契約は、使用者が更新を拒否した時は、契約期間の満了により雇用が終了します。雇止めについては、労働者保護の観点から、過去の最高裁判例により一定の場合にこれを無効とする判例上のルール(雇止め法理)が確立しています。
今回の法改正は、雇止め法理の内容や適用範囲を変更することなく、労働契約法に条文化したものです。
対象となる有期労働契約 次の①、②のいずれかに該当する有期労働契約が対象になります。 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由(※)があると認められるもの ※合理的な理由の有無については、最初の有期労働契約の締結時から雇止めされた有期労働契約の満了時までの間におけるあらゆる事情が総合的に勘案されます。 いったん、労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていたにもかかわらず、契約期間の満了時に更新年数や更新回数の上限などを使用者が一方的に宣言したとしても、そのことのみをもって直ちに合理的な理由の存在が否定されることにはならないと解されています。
要件と効果 上記の①、②のいずれかに該当する場合に、使用者は雇止めすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めが認められません。従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されます。
必要な手続き 条文化されたルールが適用されるためには、労働者からの有期労働契約の更新の申込みが必要です(契約期間満了後でも遅滞なく申し込みをすれば条文化されたルールの対象になります)。
こうした申し込みは、使用者による雇止めの意思表示に対して「いやだ、困る」というなど、労働者による何らかの反対の意思表示が使用者に伝わるもので構わないと解されています。
また、雇止めの効力について紛争となった場合における「申し込み」したことの主張・立証については、労働者が雇止めに異議があることが、訴訟の提起、紛争調整機関への申し立て、団体交渉などによって使用者の直接または間接に伝えられたことを概括的に主張・立証すればよいと解されています。
労働契約法A
3. 不合理な労働条件の禁止(第20条)
同一の使用者と労働契約を締結している、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止するルールです。 このルールは、有期契約労働者については、無期契約労働者と比較して、雇止めの不安定があることによって合理的な労働条件の決定が行われにくいことや、処遇に対する不満が多く指摘されていることを踏まえ、法律上明確化することとしたものです。
対象となる労働条件 次一切の労働条件について、適用されます。
賃金や労働時間等の狭義の労働条件だけでなく、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など、労働者に対する一切の処遇が含まれます。
判断の方法 労働条件の相違が不合理と認められるかどうかは、職務内容(業務の内容及び当該職務に伴う責任の程度)当該職務の内容及び配置の変更の範囲
その他の事情を考慮して、個々の労働条件ごとに判断されます。
とりわけ、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、上記①~③を考慮して、特段の理由がない限り、合理的とは認められないと解されています。

解説
「同一の使用者」は、労働条件を締結する法律上の主体が同一であることを言うものであり、したがって、事業場単位ではなく、労働契約締結の法律上の主体が法人であれば法人単位で判断されるものです。
①は、労働者が従事している業務の内容および当該業務に伴う責任の程度を指します。②は、今後の見込みも含め、転勤、昇進といった人事異動や本人の役割の変化など(配置の変更を伴わない職務の内容の変化を含む)の有無や範囲を指します。③は、合理的な労使の慣行などの諸事情が想定されます。
効果 この規定は、民事的効力のある規定で、法第20条により不合理とされた労働条件の定めは無効となり、故意・過失による権利侵害、すなわち不法行為として損害賠償が認められ得ると解されています。
この規定により、無効とされた労働条件については、基本的には、無期契約労働者と同じ労働条件が認められると解されています。
1. 労働者派遣事業の許可制への一本化

施行日(平成27年9月30日)以降、特定労働者派遣事業の区分は廃止され、すべての労働者派遣事業は、新たな許可基準に基づく許可制となります。
① 経過措置
(1) 施行日時点で届出により特定労働者派遣事業を営んでいる方
平成30年9月29日まで、許可を得ることなく、引き続き「その事業の派遣労働者が常時雇用されている労働者のみである労働者派遣事業」(改正前の特定労働者派遣事業に相当)を営むことが可能です。
(2) 施行日時点で許可を得て一般労働者派遣事業を営んでいる方
現在の許可の有効期間内は、その許可のままで、引き続き労働者派遣事業を営むことが可能です。
(3) 施行日前に許可・更新の申請を行った方
施行日前にした許可・更新の申請で、施行日時点でまだ決定されていないものは、改正後の法律に基づく申請として取り扱われるため、施行日後に改めて申請を行う必要はありません。

② 新たな許可基準(河川部分が新たに追加されたもの)
専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供供することを目的として行われるものでないこと
派遣労働者に係る雇用管理を適切に行うに足りる能力を有するものとして次に掲げる基準に適合するものであること。
派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること(③参照)
教育訓練等の情報を管理した資料を労働契約終了後3年間は保存していること
無期雇用派遣労働者を労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと。また、有期雇用派遣労働者についても、労働者派遣契約が存続している派遣労働者については、労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと
労働契約期間内に労働者派遣契約が終了した派遣労働者について、次の派遣先を見つけられない等、使用者の責に帰すべき事由により休業させた場合には、労働基準法第26条に基づく手当を支払う旨の規定があること
派遣労働者に対して、労働安全衛生法第59条に基づき実施が義務付けられている安全衛生教育の実施体制を整備していること
雇用安定措置の義務を免れることを目的とした行為を行っており、都道府県労働局から指導され、それを是正していないものでないこと
個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
事業を的確に遂行するに足る能力を有するものであること
資産の総額から負債の総額を控除した額(基準資産額)が「2,000万円×事業所数」以上、預金総額が「1,500万円×事業所数」以上であること
※小規模派遣元事業主の暫定的配慮措置
・ 1つの事業所のみを有し、常時使用している派遣労働者が10人以下である中小事業主→当分の間、基準資産額:1,000万円、現預金額800万円
・ 1つの事業所のみを有し、常時使用している派遣労働者が5人以下である中小事業主→平成30年9月29日までの間、基準資産額:500万円、現預金額400万円
事業所の面積がおおむね20㎡以上であること

③ キャリア形成支援措置
(1) 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実践計画を定めていること。
○ 教育訓練計画の内容
(a) 実施する教育訓練がその雇用する全ての派遣労働者を対象としたものであること。
(b) 実施する教育訓練が有給かつ無償で行われるものであること。(ニの時間数に留意)
(c) 実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアップに資する内容であること。(キャリアアップに資すると考える理由については、提出する計画に記載が必要)
(d) 派遣労働者として雇用するにあたり実施する教育訓練(入職時の訓練)が含まれたものであること。
(e) 無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、長期的なキャリア形成を念頭に置いた内容のものであること。
(2) キャリア・コンサルティングの相談窓口を設置していること。
(a)相談窓口には、担当者(キャリア・コンサルティングの知見を有する者)が配置されていること。
(b)相談窓口は、雇用する全ての派遣労働者が利用できること。
(c)希望する全ての派遣労働者がキャリア・コンサルティングを受けられること。
(3) キャリ形成を念頭に置いた派遣先の提供を行う手続きが規定されていること。
・ 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供のための事務手引き、マニュアル等が整備されていること。
(4) 教育訓練の時期・頻度・時間数等
(a)派遣労働者全員に対して入職時の教育訓練は必須であること。キャリアの節目などの一定の期間ごとにキャリアパスに応じた研修が用意されていること。
(b)実施時間につては、フルタイムで1年以上の雇用見込みの派遣労働者一人当たり、毎年概ね8時間以上の教育訓練の機会を提供すること。
(c)派遣元事業主は上記の教育訓練計画の実施に当たって、教育訓練を適切に受講できるように就業時間に配慮しなければならないこと。
【労働者派遣法Aの先頭】へジャンプ
2. 労働者派遣の期間制限の見直し

改正前の、いわゆる「26業種」への労働者派遣には期間制限を設けない仕組みが見直され、施行日以後に締結された労働者派遣契約に基づく労働者派遣には、すべての業務で、次の2つの期間制限が適用されます。
① 派遣先事業所単位の期間制限
派遣先の同一の事業所に対し派遣できる機関(派遣可能期間)は、原則、3年が限度となります。
派遣先が3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、派遣先の事業所の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があります。
施行日以後、最初に新たな期間制限の対象となる労働者派遣を行った日が、3年の派遣可能期間の起算日になります。
それ以降、3年までの間に派遣労働者が交替したり、他の労働者派遣契約に基づく労働者派遣を始めたりした場合でも、派遣可能期間の起算日は変わりません。(したがって、派遣可能期間途中から開始した労働者派遣の期間は、原則、その派遣可能期間の終了までとなります)
※派遣可能期間を延長した場合でも、個人単位の期間制限を超えて、同一の有期雇用の派遣労働者を引き続き同一の有期雇用の派遣労働者を引き続き同一の組織単位に派遣することはできません。(②参照)

② 派遣労働者個人単位の期間制限
同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度となります。
※組織単位を変えれば、同一の事業所に、引き続き同一の派遣労働者(3年を限度として)派遣することができますが、事業所単位の派遣可能期間が延長されていることが前提になります。(この場合でも、派遣先は同一の派遣労働者を指名するなど特定目的行為を行わないようにする必要があります。)
※派遣労働者の従事する業務が変わっても、同一の組織単位内である場合は、派遣期間は通算されます。

 「事業所」、「組織単位」の定義
事業所 ・工場、事務所、店舗棟、場所的に独立していること
・経営の単位として人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること
・施設として一定期間継続するものであること
等の観点から、実態に即して判断されます。
※雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的には同一です。
組織単位 いわゆる「課」や「グループ」など、
・ 業務としての類似性、関連性があり、
・ 組織の長が業務分配、労務管理上の指導監督権限を有する者として、実態に即して判断されます

④ 期間制限の例外
次に掲げる場合は、例外として、期間制限がかかりません。
・ 派遣事業主に無期雇用される派遣労働者を派遣する場合
・ 60歳以上の派遣労働者を派遣する場合
・ 日数制限業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合
・ 産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣労働者を派遣する場合

⑤ いわゆる「クーリング期間」について
事業所単位の期間制限、個人単位の期間制限の両方に、いわゆる「クーリング期間」の考え方が設けられます
・ 事業所単位の制限期間
派遣先の事業所ごとについて、労働者派遣の終了後に再び派遣する場合は、派遣終了と次の派遣開始の間の期間が、3か月を超えないときは、労働者派遣は継続しているとみなされます。
・ 個人単位の期間制限
派遣先の事業所における同一の組織単位ごとの業務について、労働者派遣の終了後に同一の派遣労働者を再び派遣する場合、派遣終了と次の派遣開始との間の期間が、3か月を超えないときは、労働者派遣は継続しているものとみなされます。

注 派遣元事業主が、同一の派遣労働者を派遣先に同一の組織単位の業務に継続して3年間派遣した後、本人が希望しないにもかかわらず、「クーリング期間」を空けて再びその組織単位の業務に派遣することは、派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくありません。 注 派遣先が、事業所で3年間派遣を受け入れた後、派遣可能期間の延長手続きを回避することを目的として、「クーリング期間」を空けて派遣の受け入れを再開するような、実質的に派遣の受け入れを継続する行為は、法の趣旨に反するものとして指導等の対象となります。 ⑥ 経過措置
施行時点で既に締結されている労働者派遣契約については、その契約に基づく労働者派遣がいつ開始されるかにかかわらず、改正前の法律の期間制限が適用されます。
※ ただし、派遣契約締結から派遣開始までにあまりにも期間が空いている場合は脱法行為と認定される可能性がります。

⑦ 過半数労働組合等への意見聴取手続
派遣先は、事業所単位の期間制限による3年の派遣可能期間を延長しようとする場合、その事業所の過半数労働組合等(過半数労働組合または過半数代表者)から意見を聴く必要があります。
意見を聴いた結果、過半数労働組合等から異議があった場合には、派遣先は対応方針等を説明する義務があります。これは、労使自治の考え方に基づき、派遣労働者の受入れについて派遣先事業所内で実質的な話し合いができる仕組みを構築することが目的であり、派遣先は、意見聴取や対応方針等の説明を誠実に行うよう努めなければなりません。
また、最初の派遣労働者の受入れの際には、派遣先は、過半数労働組合等に受入れの方針を説明することが望まれます。

⑧ 雇用安定措置
派遣元事業主は、同一の組織単位に継続して1年以上派遣される見込みがあるなど一定の場合に、派遣労働者の派遣終了後の雇用を継続させるための措置(雇用安定措置)を講じることが必要です。
雇用安定措置とは
イ 派遣先への直接雇用の依頼
ロ 新たな派遣先に提供(合理的なものに限る)
ハ 派遣元事業主による無期雇用
ニ その他雇用の安定を図るために必要な措置

雇用安定措置の対象者

※1 いずれも、本人が継続して就業することを希望した場合に限られます。
※2 現在、いわゆる「登録状態」にある方も、この対象者の中に含まれます。
※3 イの措置を講じた結果、派遣先での直接雇用に結びつかなかった場合には、派遣元事業主は、ロ~ニのいずれかの措置を追加で講じる義務があります。

雇用安定措置の義務の発生と消滅
・ 派遣される「見込み」は、労働者派遣契約と労働契約の締結によって発生します。
⇒3年の労働者派遣契約と労働契約を締結している場合は、Aに該当します。
⇒3か月更新を反復している場合で、継続就業が2年9か月になった段階で、労働者派遣契約と労働契約の次の更新がなされた場合は、Aに該当します。

・ 義務は、派遣元事業主によって適切に履行されるか、派遣労働者が就労継続を希望しなくなるまで、効力が存続します。
【労働者派遣法Aの先頭】へジャンプ
雇用安定措置の対象者 派遣元事業主の責務の内容
A:同一の組織単位に継続して3年派遣される見込みがある方(※1) イ~ニのいずれかの措置を講じる義務(※3)
B:同一の組織単位に継続して1年以上3年未満派遣される見込みがある方(※1) イ~ニのいずれかの措置を講じる努力義務
C:(上記以外の方で)派遣元事業主に雇用された期間が通算1年以上の方(※2) 3か月以上
ロ~ニのいずれかの措置を講じる努力義務

※1 いずれも、本人が継続して就業することを希望した場合に限られます。
※2 現在、いわゆる「登録状態」にある方も、この対象者の中に含まれます。
※3 イの措置を講じた結果、派遣先での直接雇用に結びつかなかった場合には、派遣元事業主は、ロ~ニのいずれかの措置を追加で講じる義務があります。

雇用安定措置の義務の発生と消滅
・ 派遣される「見込み」は、労働者派遣契約と労働契約の締結によって発生します。
⇒3年の労働者派遣契約と労働契約を締結している場合は、Aに該当します。
⇒3か月更新を反復している場合で、継続就業が2年9か月になった段階で、労働者派遣契約と労働契約の次の更新がなされた場合は、Aに該当します。

・ 義務は、派遣元事業主によって適切に履行されるか、派遣労働者が就労継続を希望しなくなるまで、効力が存続します。
【労働者派遣法Aの先頭】へジャンプ

3.キャリアアップ措置

派遣元事業主は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、
・ 段階的かつ体系的な教育訓練
・ 希望者に対するキャリア・コンサルティング
を実施する義務があります。
■ 段階的かつ体系的な教育訓練


① キャリア形成支援制度
段階的かつ体系的な教育訓練は、キャリア形成支援制度として策定した教育訓練計画に基づいて行います。

② 教育訓練の実施に当たって留意すべき事項
(1) 実効ある教育訓練の実施
派遣元事業主は、個々の派遣労働者について適切なキャリアアップ計画を派遣労働者との相談に基づいて策定し、派遣労働者の意向に沿った実効性ある教育訓練を実施することが望まれます。
(2) 受講機会の確保
派遣元事業主は、教育訓練計画の策定にあたって、複数の受講機会を設ける・開催日時や時間設定に配慮する等、可能な限り派遣労働者が教育訓練を受講しやすいようにすることが望まれます。
(3) 訓練費用
段階的かつ体系的な教育訓練は、必ず有給・無償のものでなければなりません。また、その費用を派遣料金の引き上げではなく派遣労働者の賃金の削減によって補うことは、望ましくありません。
(4) 交通費
段階的かつ体系的な教育訓練を受けるためにかかる交通費が、派遣先との間の交通費よりも高くなる場合には、派遣元事業主がこれを負担すべきものです。
(5) 教育訓練の内容周知
派遣元事業主は、段階的かつ体系的な教育訓練として実施する内容について、派遣労働者等に周知するように努めなければなりません。特に、インターネット等により関係者に対し情報提供することが望まれます。
(6) 派遣元台帳への記載
派遣元事業主は、雇用する派遣労働者に対して実施した段階的かつ体系的な教育訓練の日時と内容を、派遣管理台帳に記載しなければなりません。
(7) 更なる教育訓練の実施
派遣元事業主は、雇用する派遣労働者のキャリアアップを図るため、実施を義務付けられた段階的かつ体系的な教育訓練に加えて、更なる教育訓練を自主的に実施し、その訓練についての派遣労働者の負担を実費程度にすることで、受講しやすいものとすることが望まれます。なお、これらの教育訓練が、実質的に派遣労働者の参加が強制されるものである場合、派遣労働者がこれらの教育訓練に参加した時間は、労働時間と計算し、有給とする必要があります。
(8)派遣先の協力
派遣先は、派遣元事業主が教育訓練の実施に当たって希望した場合には、派遣労働者が教育訓練を受けられるよう可能な限り協力し、また、必要な便宜を図るよう努めなければならない。

■ キャリア・コンサルティング
キャリア形成支援制度として設置する相談窓口の担当者は、資格が必要なものではありませんが、キャリア・コンサルティングの知見を有することが求められます。 派遣労働者の意向に沿ったキャリア・コンサルティングが実施されることが必要です。
【労働者派遣法Aの先頭】へジャンプ
4. 均等待遇の推進

派遣労働者と、派遣先で同様の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るため、派遣元事業主と派遣先に、それぞれ新たな責務が課せられます。
■ 派遣元事業主が講ずべき措置
① 均衡を考慮した待遇の確保(改正前からの責務)
派遣元事業主は、派遣先で同様の職務に従事する労働者との均衡を考慮しながら、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生の実施を行うよう配慮する義務があります。
② 待遇に関する事項等の説明(今回の改正で新設された責務)
派遣労働者が希望する場合には、派遣元事業主は、上記の待遇の確保のために考慮した内容を、本人に説明する義務があります。
派遣元事業主は、派遣労働者が説明を求めたことを理由として不利益な取扱いをしてはなりません。
※派遣元事業主は、派遣先との派遣料金の交渉が派遣労働者の待遇改善にとってきわめて重要であることを踏まえ、交渉に当たることが重要です。
※派遣労働者のキャリアアップの成果を賃金に反映させることが望まれます。
③ 通勤手当の支給に関する留意点
派遣元事業主に無期雇用される労働者と有期雇用される派遣労働者との間における、通勤手当の支給に関する労働条件の相違は、労働契約法第20条に基づき、働き方の実態や、その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはなりません。
※有期雇用される派遣労働者の比較対象は、同じ派遣元に無期雇用される労働者です。この無期雇用される労働者には、いわゆる正社員や、無期雇用の派遣労働者など、すべての無期雇用の労働者が含まれます。

■ 派遣先が講ずべき措置
① 賃金水準の情報提供の配慮義務
派遣先は、派遣元事業主が派遣労働者の賃金を適切に決定できるよう、必要な情報を提供するよう配慮しなければなりません。
必要な情報には、例えば以下のものが挙げられます。
・派遣元労働者と同様の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準
・派遣元労働者と同様の業務に従事する一般の労働者の賃金水準(賃金相場)
・派遣元労働者と同様の業務に従事する派遣先の労働者の募集時の求人条件 等

② 教育訓練の実施に関する配慮義務
派遣先は、派遣先の労働者に対し業務と密接に関連した教育訓練を実施する場合、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主で実施可能な場合を除き、派遣労働者に対してもこれを実施するよう配慮しなければなりません。

③ 福利厚生施設の利用に関する配慮義務
派遣先は、派遣先に労働者が利用する以下の福利厚生施設については、派遣労働者に対しても利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。
・給食施設
・休憩室
・更衣室

④ 派遣料金の額の決定に関する配慮義務
派遣先は派遣料金の額の決定に当たっては、当該派遣労働者の就業実態や労働市場の状況を勘案し、派遣労働者の賃金水準が、派遣先で同様の業務に従事する労働者の賃金水準と均衡の図られたものとなるよう努めなければなりません。
また、派遣先は、労働者派遣契約を更新する際の派遣料金の額の決定に当たっては、就業実態や労働市場の状況等に加え、業務内容や技術水準の変化を勘案するよう努めなければなりません。

5. 労働契約申込みみなし制度

(平成24年労働者は同法改正法に基づき平成27年10月1日から施行) 派遣先が次に掲げる違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。(派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失がなかったときを除きます。) ・労働者派遣の禁止業務に従事させた場合 ・無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合 ・期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合(※) ・いわゆる偽装請負の場合(労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要な事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受ける場合) ※期間制限違反について ・新たに設けられた事業所単位・個人単位の2つの期間制限のどちらに違反した場合も、労働契約申込みみなし制度の対象となります。 ・改正法の施行日(平成27年9月30日)時点より前から行われている労働者派遣については、改正前の期間制限が適用され、派遣先が制限を超えて派遣労働者を使用しようとするときは、改正前の法律に基づく労働契約申込み義務の対象になります。(労働契約申込みみなし制度の対象とはなりません。) 派遣元事業主は、労働者派遣を行おうとする際にはあらかじめ、また、派遣先から派遣可能期間の延長の通知を受けた際には速やかに、派遣労働者に対し、抵触日(期間制限違反となる最初の日)を明示しなければなりませんが、これに併せて、派遣先が抵触日を超えた(期間制限違反の)派遣の受入れを行った場合には、労働契約申込みみなし制度の対象となることを明示しなければなりません。 派遣労働者の中には、短期の労働契約が反復更新されている場合もみられることを踏まえ、派遣先は、労働契約申込みみなし制度の下で成立した有期の労働契約の更新について、派遣元事業主と締結されていた労働契約の状況等を考慮し、真摯に検討することが必要です。 【労働者派遣法Aの先頭】へジャンプ

有期労働契約とは、1年契約、6か月契約など期間の定めのある労働契約のことをいいます。パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など職場での呼称にかかわらず、有期労働契約で働く人であれば、新しいルールの対象となります。
無期労働契約への転換
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
無期労働契約への転換ルールの解説は厚生労働省発行の「労働契約法改正のポイント」の「無期労働契約への転換」と「通算契約期間の計算について(クーリングとは)」を参照ください。
「雇止め法理」の法定化
で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容で法律に規定されました。
一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。
「雇止め法理」の法定化の解説は「労働契約法改正のポイント」の「雇止め法理」の法定化」を参照ください。
不合理な労働条件の禁止
働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。
不合理な労働条件の禁止の解説は「労働契約法改正のポイント」の「不合理な労働条件の禁止」を参照ください。
施行期日は、Ⅱが平成24年8月10日(公布日)で、ⅠとⅢは平成25年4月1日となります。
平成24年に改正された労働者派遣法の改正点は、次の通りです。

雇用の分野における障害者に対する差別禁止及び障害者が職場で働くにあたっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、障害者の雇用に関する状況に鑑み、精神障害者を法定雇用率の算定基礎の加える措置が講じられました。

1. 障害者の権利に関する条約批准に向けた対応(施行期日平成28年4月1日)
(1) 障害者に対する差別の禁止
雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いを禁止する。
※不当な差別の禁止。このため、職業能力等を適正に評価した結果といった合理的な理由による異なる取扱いが禁止されるものではない。
差別の主な具体的な例

募集・採用の機会 〇身体障害、知的障害、精神障害、車いすの使用、人工呼吸器の使用などを理由として採用を拒否すること など
賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用など 障害者であることを理由として、以下のような不当な差別的取扱いを行うこと 〇賃金を引き下げること 〇研修、現場実習を受けさせないこと 〇食堂や休憩室の利用を認めない  など

(3) 苦情処理・紛争処理援助
①事業主に対して、(1)(2)に係るその雇用する障害者からの苦情を自主的に解決することを義務化。
事業主は、障害者に対する差別や合理的配慮の提供に係る事項について、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、その自主的な解決を図るよう努める。
②(1)(2)に係る紛争について、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の特例(紛争調停委員会による調停や都道府県労働局長による勧告等)を整備。
当該事項にかかる紛争は、個別労働紛争解決促進法の特例を設け、都道府県労働局長が必要な助言、指導又は勧告をすることができるものとするとともに、新たに創設する調停制度の対象とする。

2. 法定雇用率の算定基礎の見直し
法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加える。ただし、施行(平成30年4月1日)
後5年間に限り、精神障害者を法定雇用率の算定基礎の加えることに伴う法定雇用率の引き上げ分について、本来の計算式で算定した率よりも低くすることを可能とする。

労使関係に関して

貴方の職場に労働組合を作るためには、まず仲間集めがその第一歩になります。仲間と相談して、働き易い職場を目指して労働組合をつくるのであれば最低2名の同意が必要です。労働組合には、「規約と役員」「活動を支える労働組合費」が欠かせません。職場での不平・不満、会社に改善を求めたいことなどの話し合いを進め、機が熟せば「労働組合結成」につながります。
労働組合結成に至るプロセスは、①仲間集め→②何故労働組合を結成するかとの共通認識の醸成→③労働組合結成準備会の結成→④労働組合結成趣意書・規約案・会社に対する要求書などの準備→⑤従業員への労働組合加入の呼びかけ→⑥労働組合結成大会の開催→⑦会社への労働組合結成の通知と、団体交渉の申し入れ。の流れになります。①から⑤までは会社に理解があれば別ですが、通常内密に進めます。⑤に入れば会社にも知れることが充分考えられますので、⑤から⑦までは一気呵成に進めます。
スムーズにいくかどうかは最初が肝心、会社の性格も大きく影響します。お望みなら連合兵庫の労働組合づくりの専門家を紹介します。労働組合がスタートしたらその後は、その専門家と相談しながら進めて下さい。
労働協約の効力は、労働契約や就業規則に優先します。 労使協議で意見一致をみた事項や、団体交渉で妥結に至った事項を、双方の代表者が記名・押印した文書の集積を労働協約といいます。
労働協約締結が労使間のテーマになったら、ぜひ一度労使相談センターにご相談下さい。
(1)無協約になったからといって、労働組合活動が出来なくなるのではないということ、(2)無協約となっても労使間のルールが完全に無くなるということではないということです(余後効ー新たな労使協定が締結されるまでは、従前の労使ルール、労働条件が効力を保持するとの考え方)。
予想される会社の動きは、労働組合費をはじめとするチェックオフの停止、労働組合活動のための施設利用の拒否などです。これらの行為に対して労使協定や慣行として成立している場合は、労働委員会や裁判では無効と判断されます。また、このような行為に対しては労働組合が職場委員の活動強化によってカバーしきれば、逆に36協定の破棄や共済加入の制限などによって対抗することも出来ます。むやみに争議に突入せず「中間管理職の非組合員化が労働組合活動全体の弱体化」をもたらすことを具体的に立証して、労働委員会に不当労働行為の申請をするという取り組み方も一つの方法です。
「労使協議」の目的は、労使が対等な立場での話し合いの中で、相互理解を高め、双方の信頼関係を構築し、働きやすい職場環境を作ることにあります。会社からは、経営の実態や経営方針の説明、労働組合からは、従業員の声を代弁し、会社に届ける大切な場となります。
労使協議で、意見の一致をみられなかった重要な課題や、労働条件(賃金・一時金の水準等)交渉などは「団体交渉」で話し合うのが一般的です。
労使協議から団体交渉に移る場合には最終判断が出来る場にすることが必要です。交渉メンバーに決定権のある会社役員(社長)、労働組合の委員長を加えて話し合うのが早道です。
労使双方に「誠実交渉義務」が課せられますので、毎回の交渉で社長・委員長の出席を求めるのは現実的ではありません。なお、交渉内容が微妙な場合、最終段階で細部の詰めが必要になります。その時は実務レベルの小委員会などのやり方も有効です。協議・交渉時に何よりも大事なことは、労使双方が、相手の言い分に耳を傾け、互譲の精神を持ち、真摯に話し合うことです。
たとえ労働組合加入者が一人であっても団体交渉は拒否出来ません。突然一人が地域ユニオンに加入、というケースでは労務担当者に団体交渉の経験がないところが多いのも現実です。慌てて対応するのでなく、弁護士や経営者協会に相談の上「ユニオンの性格」「要求の内容」「企業の可能な対応」など十分な準備をしてから、交渉日時、場所、交渉メンバーを含めて冷静に応諾の回答をして下さい。
また、申し入れ内容に関する交渉に応ずることと、申し入れ内容を受け入れることとは別問題です。会社として受け入れられない内容であればその理由を明確にして拒否すべきです。
企業が特定の従業員を解雇した場合や、リストラを十分な協議抜きで進めたために起こったのであれば、労働問題に熟達した経営法曹の弁護士さんとの相談が欠かせません。お望みなら何時でも経営法曹の弁護士さんを紹介します。
(1) 労働組合法は、同盟罷業(ストライキ)開始について直接無記名投票の過半数による決定の要件を、第5条2項の8号に定めています。これを受け、労働組合規約にスト権確立に関する定めが規定されているのが通常です。これに従ってストライキ権を確立することがまず求められます。
また、労働協約に「争議以前に第三者機関の斡旋を経る」などの規定があれば、その手続きを踏まなければなりません。
(2) 具体的な行動に入る前に、全組合員に要求と交渉の情報を周知徹底することが大切です。 このような状況に直面されたら、必ず来所されて労使双方の相談員の意見をお聞き下さい。
この業務命令は事前に十分な交渉を経ていないと思われます。内容も明らかに労働組合活動へのダメージを狙った「報復的不利益取扱」に該当するものと思われます。会社の真意を確認の上、執行委員会を開いて、兵庫県労働委員会に「労働組合法第7条違反の不当労働行為」審査の申し立てをして下さい。労働委員会に申し立てをしたことをもって、何らかの処分がされたら、これも同じ趣旨で「不当労働行為」として業務命令、処分の取り消しの行動に入って下さい。また、この労使紛争を理由に労働組合役員に対する解雇が出された場合は、不当解雇の撤回、身分保全の仮処分を地方裁判所に申し立てることも大切です。
ユニオンショップ協定は、労働組合に入らない、労働組合から脱退する自由、労働組合選択の自由と衝突します。
労使間にユニオンショップが締結された状況で、労働組合員のうち数名が労働組合決定に違反、除名された場合、使用者がその者を解雇する義務を負うことになりますが、除名された者が別労働組合を結成したり、複数労働組合が存在する場合に他の労働組合に加入する、個人加盟の地域ユニオンに加盟すると、訴訟の場ではユニオンショップ協定に基づく解雇は無効の判断がなされるのが一般的です。ただし、労働組合を脱退し別労働組合にも加入しない場合は法の保護から排除されます。
ユニオンショップで活動上の合意をめざすのでなく、徹底した討議と説得で合意を得るのが労働組合活動の原則です。
労基法は16条で損害賠償額を予定する契約を禁じていますが、行政解釈では現実に生じた損害について、賠償額を請求することを禁じているものではないとしています。
では、その損害額の全てを賠償させることが出来るかについては、茨城石炭商事件の最高裁判例があります。会社の支払った、相手の修繕費、自社のタンクローリーの修繕費、休業補償など40万円を請求した事案です。(運転手の給料は4.5万円程度)この事案に最高裁は「使用者が従業員の業務遂行により損害を被った場合、事業の性格、規模、施設の状況、従業員の業務内容、労働条件、勤務態度、損失予防・分散についての使用者の配慮その他施設の事情に照らして、損害の公平な分担という見地から、信義則上相当と認められる限度おいて損害賠償の請求が出来る。本件の事実関係を詳細に判断して損害額の1/4を限度とすべきである」としました。その後この判例が下級審でも受け継がれています。学説は1/4の根拠が不明確で理論的でないと批判的です。
学説の多くは(1)従業員は通常求められる注意義務を尽くしていれば、日常的に発生する損害については使用者の経営リスクに含まれるもので、労働者に損害賠償義務は発生しない。(2)労働者に故意又は重大な過失のある場合には、損害賠償義務を負う事になるが、損害の全部を負担しなければならないわけではなく、限度があるとしています。そこで、経営者として注意すべきは、故意や重大な過失でない不注意による損害発生は経営リスクの範囲とされる可能性があり、ダメージを避けるためには、
イ1、ミスを予想して保険をかけ危険分散しておく。
ロ、過重な労働によってミスが生じない体制をとる。
ハ、十分な事前措置、指導教育をする。
、ミスを犯した場合、戒告(厳重に注意する)処分や、始末書の提出を求め、反省を求めるなどフォローを積み重ねておく

労働に関して

就業規則は10人以上の事業所ごとに制定が義務づけられています。その提出に際しては従業員の半数以上を組織している労働組合があればその代表者(委員長)、なければ従業員の半数以上を代表する者の意見書を付することとなっています。代表者の選出には全員の無記名投票か、全員の集会での挙手等による選出が望ましいとされています。
法律上は必要ありません。ただ、産業構造や雇用形態が多様になり、労使間での個別のもめごと(個別労使紛争)が多発しています。これらの紛争を解決する場合、過去の裁判の判例や労働委員会の命令などが基準になり、参考になっていますが第一には就業規則に基づいて判断されることになっています。そこで、「基準法」に定める必要事項を含んだ「就業規則」を制定され、従業員の半数以上を組織している労働組合があればその代表者(委員長)、なければ従業員の半数以上を代表する者の意見書を添付し、所轄の労働基準監督署に提出し、その就業規則を全従業員に印刷して配布するか、食堂などに誰でも見ることが出来るようにする、社内LANで何時でも閲覧できるようにするなどの手段を講じて下さい。
周知徹底することは「周知の義務」と呼ばれています。
1、配置転換の命令がある時は事前の打診があるのが普通です。その点はどうだったのでしょうか。
2、次に配転命令の根拠である労働契約(雇用契約)と就業規則(労働組合のあるところでは労働協約)を確認する必要があります。労働契約時点で配転のない職務だったかどうか。配転命令の根拠である就業規則の条項がどうなっているかは基本的に態度をきめる根拠になります。
3、そして、自分が何故配転の対象になったか、本当に必要性があるのか等を確認することです。
4、最後に自分の家庭の状況や配偶者の勤務条件。
5、本人の健康状態(治療の関係で住居地を変更出来ない)などを考慮した上の配置転換なのか、確りと自分の希望を述べて話合いをして下さい。

裁判例では単身赴任を含む配置転換について、労働者の受忍範囲を大きく取り、配転命令を有効としてきましたが。育児・介護や「ワークライフバランス」の重要性が指摘される中で、受忍範囲を厳格化し「配転命令を無効」とする判例が出されるようになりました。
話合いで解決出来ず、法的手段も止むを得ないという結論になったら、当センターに来所、弁護士の紹介も含めて対応を相談します。
現在、企業の従業員数にかかわらず、雇用保険の加入は使用者の義務となっています(強制加入)。同じ職場で働いている人達に声を掛けて複数の労働者でハローワークに申し出て下さい。行政の立場で会社に加入の義務と大切さをしめしてくれる筈です。貴方が有期雇用(パート労働者等)であれば、31日以上の勤続か31日以上の雇用見込みがある場合で、「1週の労働時間が20時間以上」という条件が必要になります。なお、雇用保険法の第8条と第9条には「確認」の制度があります。雇用保険法第8条に確認の定めがあり、労働者は公共職業安定所長に「確認請求」をすることが出来ます。「確認」されれば2年間だけ遡って(ただし、雇用保険料が2年以上に亘り徴収されていたにもかかわらず、会社が加入手続きを怠っていた場合はその期間に遡って)被保険者になることができます。
雇用保険の基本手当給付日数については【別表-2】参照

(1) 常時300人以下(金融業、保険業、不動産業、小売業では50人以下、卸売業、サービス業では100人以下)の労働者を使用する事業主であること。
(2) その事業の労働保険事務を「労働保険事務組合」に委託している事業主であること。(従業員が労働保険に加入していることが前提で、事業主一人だけ保険に加入することは出来ない)加入申請等は事務組合が行う。
保険給付および保険料は一般の労災保険とは別に定められていますし、加入申請は【労働保険事務組合】は行いますので、一度もよりの【労働保険事務組合】に相談して下さい。

腰痛の労災認定は難しいというのが常識になっていた時期が長く続きました。しかし、現在は椎間板ヘルニアの認定は稀なものではありません。労災認定はどんな場合でも最初の医師の診断、職場の同僚または直接の上司の「現認書」が大変に重要視されます。経過と現状(会社の仕事の詳しい実態、本人の勤続と腰痛発生までの勤務実態、発生時の詳しい働き方と腰痛の現状)をキチンと整理して本人と一緒にセンターにお越し下さい。労働者安全センターに紹介するなど、ご相談に応じます。

先ず未払い賃金額を確認して下さい。賃金台帳、給与支払い明細書など必要書類を精査して確認書をつくります。給与支払い実務の担当者から確認してもらうことも可能です。
(1) 未払い賃金が確認できたら監督署に指導・勧告してもらうよう申告(労基法第104条1項による)する。
(2) 60万円以下なら簡易裁判所に少額訴訟(金銭請求事件)の訴えを起こす。
(3) 解雇に理由がないときは、「身分の保全と、この間の賃金支払いを請求する」訴訟もしくは労働審判の申出を地方裁判所に起こす。
手順や書類作成などについては、裁判所事務官に相談する方法と弁護士会に持ち込むやり方があります。裁判にかかる費用についても最近公的な立場での貸し付けや、代行の制度も進んできています(法テラスで相談して下さい)。

労働基準法は「賃金について、①通貨で、②全額を、③直接労働者に、④毎月1回以上、定まった日に、支払わなければならない」と定めています。賃金支払の原則の例外についての語句説明はこちら。

お尋ねのような支払い方は明らかに労基法違反です。
まず、従業員全員の連名で、未払い賃金額の明細、支払期日、支払い方法、会社が対応しないときには法的措置を執ることの予告を明らかにした「内容証明郵便」を会社へ送付します。支払期日までに何らの対応がない場合には、これらの資料を持参し監督署に申告(労基法第104条による)して下さい。それでも埒があかないようなら、労働組合を結成して要求書をつくり、会社の代表あてに団体交渉を申し入れ団交で解決するのが一番の近道です。組合づくりはQ&Aの01を参考にして下さい。
訴訟もしくは労働審判の申立を地方裁判所に起こすことも可能です。

働き始める時、雇用契約を結びましたか。その会社の就業規則を見たことがありますか。なければ、「退職に関する条項」を見たいからといって請求、確認して下さい。パートの賃金を支払わない理由付けは辞めるに当たって規定の日数前に申し出がなかった、というのが大半です。だからといって働いた分の賃金を支払わなくて良いということは絶対にありません。
働いた日時、時間数と賃金総額を計算して会社に請求し、同じ文書をもって監督署に支払いの勧告をしてもらうよう申告(労基法第104条による)して下さい。会社が指導勧告に従わない場合、60万円以下の支払い請求であれば、簡易裁判所に少額訴訟の訴えを起こすことも一つの方法です。

時間制限を決めて残業賃金の支払いをその上限で打ち切ったり、実質的なサービス残業が未だにあとを断ちません。でも、組合や労働者個人が粘り強く請求した結果、労働局(労働基準監督署)も積極的に事実を掌握、多くの企業で正確な時間計算のうえ多額の未払い分の支給が行われています。賃金債権の時効は2年です(退職金の時効は5年)。実際の残業時間、早朝出勤時間などは、法定の割り増し、労働協約、就業規則上の規定通りの割り増しを含めて記録しておき、有効期間中に請求することをお勧めします(内容証明郵便で会社に請求することが有効です)。請求しても会社が支払わない場合は、監督署に申告(労基法第104条による)する、訴訟または労働審判制度を活用する等の方法を検討して下さい。

一般用語として「倒産」の文言を用いていますが、法令上に定義された文言ではありません。ただ、倒産情報を公開している、東京商工リサーチや帝国データバンクなどでは、次のような状況になった場合に企業の「倒産」と表現しているようです。
(1) 2回目の手形不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けたとき
(2) 裁判所に以下の法的整理手続の申立てをしたとき
① 会社更生法に基づく会社更生手続
② 民事再生法による調整手続き
③ 破産法による強制和議
④ 会社法による特別清算 等
(3) 法的手続によらず、債権者との話し合いにより債務整理 を図るとき。 (任意整理)
「倒産」と言ってもいろいろなケースがあるということです。ケースによって対応策が違ってきます。ポイントは、その会社が「清算を目指しているのか」「再建を目指しているのか」にあります。
質問は、倒産した会社から退職金を支払わせたいとのことですが、月例賃金・賞与・退職金で倒産企業に対する労働債権の優先順位が違います。
倒産企業から退職金を支払わせたいとの気持ちは十分に理解できますが、それを実現するためには、個人の力では限界があります。労働組合があればその力で、また、労働組合が無ければ、労働組合を結成して対応すること。大事なことは、弁護士などの専門家に相談することによって対応策を決めることが重要です。専門家の紹介も出来ますので引き続きご相談ください。

「雇止め」の典型例ですね。雇い止めとは、契約満了時に使用者が有期労働契約を更新しないことを言います。雇用契約の期間満了後に契約更新を行わないことが明示されている場合は、期間満了をもって契約は終了するのが原則ですが、下記のように解雇とみなされる場合もあります。
(1) 契約期間の満了後、特に手続きもなく継続して就労したとき、その雇用契約は従来と同一条件で黙示のうちに更新されたものと推定されます。この場合、判例では、黙示の更新が行われた後は、期間の定めのない雇用と同様の扱いになると解されています。
(2) 有期労働契約が反復更新され、実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態になっている場合は、解雇とみなされ、合理的な理由がなければ解雇できないと解されています。
(3) どのような場合に期間の定めのない契約と異ならないと判断されるかについては、①その雇用が臨時的か常用的なのか、②更新回数、③通算の雇用期間、④契約管理の状況(契約終了の都度、手続きが行われているかなど)、⑤雇用継続に期待を持たせるような言動・制度、⑥職場における雇止め事例の有無などが判断要素とされています。
(4) 期間の定めのない雇用になっている場合は、解雇と同様に予告手続きが必要です。そうでない場合でも、勤務継続が1年超、または契約を3回以上更新している場合には使用者には30日前までの予告が求められています。
(5) また、労働者が請求した場合、具体的な雇止め理由に関する証明書を交付しなければならない。 とされています。

有期契約の途中解約のケースですね。
期間の定めのある労働契約の場合、やむを得ない理由がなければ契約途中の解雇は認められません。
民法では、期間の定めがある労働契約(有期労働契約)の場合、使用者は、やむを得ない理由がある場合を除いて労働者を解雇することができない旨定めています(第628条)。
労働契約法でも「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」との規定が設けられています(第17条)。
契約途中の解約に対しては、残りの契約期間の賃金補償などを求めます。
契約の途中解約が、使用者側の事情によって生じた場合には、使用者は残りの契約期間で支払われるべき賃金を労働者に支払わなければならず(民法第628条)、労働者は賃金の支払いを請求することができます(民法第537条)。また、派遣先の判断が妥当かどうかのチェックも重要です。

派遣労働の場合についても上のQ2と同じです。登録型派遣も「期間の定めのある労働契約」であり、派遣期間中に派遣先の都合で契約解除が行われたときには、派遣元に対して、残りの期間に対応した賃金全額を請求する権利が発生します。
これは、派遣先と派遣元との間は「労働者派遣契約」を締結しますが、派遣労働者は派遣元との間で「雇用契約」を締結し、労働者は派遣先での労務提供義務を、派遣元は賃金の支払い義務を負います。派遣先が労働者を解雇する権限はありません。契約不履行の損害賠償責任を負うのは、派遣契約を期間途中で解約した派遣先にあり、派遣先が派遣元に損害賠償しなければなりません。
派遣元とも相談して解除の理由を確認して下さい。派遣元も含めて解除がやむを得ないことと納得できたとしても、次は派遣元との交渉になります。常用型であれ登録型であれ、次の派遣先を確保するのは派遣元の責任です。派遣会社との雇用契約をしっかりと確認して下さい。個人的に納得できず、交渉のためにアシストを必要とするのであれば、連合兵庫の非正規労働センターを紹介します。

懲戒処分についての語句説明はこちら。 事実無根の「金銭不正」であれば、会社に不正を確認した理由について明らかにしてもらい、その議論の中で、懲戒解雇を撤回させることが、カギになります。
会社と厳しく交渉しても解決出来ないときは労働局への斡旋の申請、「法テラス」での相談、労働組合の団体交渉権を生かしての撤回交渉、最後に裁判所での訴訟手続きなどで争うことで解決の方策を見いだします。事実無根が明白なら、地域ごとにある人権擁護委員会を活用するのもよいかもしれません。

整理解雇とは、業績不振による事業の縮小、企業経営の合理化を原因とする人員整理のための解雇のことを言います。法令上の根拠はありませんが、幾多の裁判で解雇権の濫用法理が確立されてきました。いわゆる「整理解雇の4要件」といわれるものです。この判例の集積は、整理解雇をせざるを得ないだけの「客観的に合理的な理由」が必要であり、これに相当する理由なく行った場合は、権利の濫用として、その解雇は無効となります(労働契約法第16条)。 【整理解雇の四要件】
1.解雇の必要性
 客観的に整理解雇をしなければならないほどの経営上の必要性があること。
2.解雇回避努力
 整理解雇を行う前に、希望退職者の募集、配置転換、新規採用の停止など、解雇を回避するための努力が充分に尽くされていること。
3.人選の基準と適用が合理的であること
 解雇される労働者を選定する基準が合理的なものであり、かつその運用もまた適正であること。
4.労使間での十分な協議
整理解雇の必要性、時期・方法・規模・人選基準についての十分な説明と協議が尽くされたこと。

上司の発言は、労働者に退職を勧める「退職勧奨」であると思われますが、人事権をもった上司であるのか、単に、辞めてもらいたいという意思を匂わせるだけの「ほのめかし」なのか、「解雇通告」なのかを確かめる必要があります。使用者からの退職勧奨であるとしても、応じるかどうかは労働者の自由な判断ですので、辞める意思がなければ応じる必要はありません。まず、上司に発言の真意を確かめましょう。
退職勧奨を受けた労働者が、何も意思表示をしないまま、出勤しない状況が続けば、その事実をもって、退職勧奨に合意したものと取り扱われる可能性が高くなります。また、退職勧奨を受けたときに労働者が「考えさせて欲しい」などと暖味な返答をすると、使用者が事実上「了解した」と受け止めてしまうことも考えられるため、「辞めたくない」との意思を明確に使用者に伝えましょう。
退職勧奨の手段・方法において、勧奨を受ける者の自由な意思決定を妨げ、社会通念上の相当性を欠く場合例えば、勧奨を受ける者が退職を拒否しているにもかかわらず、数人で取り囲んで繰り返し勧奨することは、違法な退職強要となり、行為そのものが不法行為として損害賠償請求の対象となります。

貴方が働き始めたときの雇い入れ通知書(労働契約書)をチェックして下さい。雇い入れ期間の定めがなく、勤務日数が明記されていれば、一方的に労働条件を変更することは、雇用者には出来ません。20時間だった就労時間が12時間に変更され、賃金が12/20に低下するわけですから、労働条件の不利益変更に相当します。この様な変更は、労働者の合意がなければ行えません。

通常の労働者に比べて、パート労働者等の週(週30時間未満。週30時間未満であっても週所定労働日数が5日以上の場合は通常労働者と同じ付与日数)又は年間の所定労働日数が少ない労働者に対しては、その所定労働日数に応じた年休の比例付与が定められています(労基法第39条3項、労基則第24条の3)。
通常労働者の平均所定労働日数を5.2日として、週所定労働日数4日の短時間労働者は、4/5.2×10日=7.69日(小数点以下切り捨てて7日となります【別表-1】参照) 貴方の労働日と就業時間を確認して、請求して下さい。

有給休暇は労働者から請求があれば、原則として請求通り付与することが、使用者に課せられています。使用者がこの請求を許可するといった権限はありません。ただ、業務の必要性からどうしても本人以外では支障があり、やむを得ない場合のみ、時季変更権が使用者に認められています。早めに(判例では、前日の終業時刻までにと判示。就業規則に定めがある場合、その定め。)、内容もよく話し合って納得できるように進めることが、労使にとって大切です。

制度導入には、労使協定の締結と就業規則の改定などが必要で、労使協定は、労使が話し合い締結します。 労働基準法が求める、労使協定で決めるものとは、

1、時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
2、時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
3、その他厚生労働省令で定める事項
の3点です。(関連条文参照) 労使間の調整に苦労が予想されるのは、一の労働者の範囲です。 各自が独立して業務を遂行している職場は、個人の時間単位の有給休暇取得が他の人に影響しにくいため、制度を導入いやすいといえます。 出勤・退勤が自由なフレックスタイム制の職場には、管理が複雑になる割には実効が上がらず不向きといえます。
一方、数名がチームを組んで仕事を進めているような場合は工夫が必要です。 年次有給休暇取得の影響を小さくする仕事の仕方と時間単位の有給休暇取得をセットで提案しないと難しいかもしれません。 厚生労働省発行のパンフレット【別表「改正労働基準法のあらまし」(23ページ)を参考に職場の仲間で話し合ってみてください。

最低賃金は、こちらを参照してください。 最低賃金は毎年1回審議会で審議されて金額審議が行われますので、時期が過ぎていると思われたら兵庫労働局基準部賃金課(Tel 078-367-9164)にお問い合わせ下さい。

近年、職場のパワーハラスメントやいじめが、行政・司法を巻き込みむ社会問題化しています。厚生労働省では、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」をまとめ、問題解決に向けた政策を打ち出しています。
円卓会議報告で、「職場のパワーハラスメント」を下記のように提案しています。
「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」
また、「職場のパワーハラスメントの行為類型」は、職場のパワーハラスメントに当たりうる行為のすべてを網羅するものではないとしながらも次のとおり提案しています。
①暴行・傷害(身体的な攻撃)
②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
職場のパワーハラスメントに当たるかどうかの判断については、
「①については、業務の遂行に関係するものであっても、「業務の適正な範囲」に含まれるとすることはできない。
次に、②と③については、業務の遂行に必要な行為であるとは通常想定できないことから、原則として「業務の適正な範囲」を超えるものと考えられる。
一方、④から⑥までについては、業務上の適正な指導との線引きが必ずしも容易でない場合があると考えられる。こうした行為について何が「業務の適正な範囲を超える」かについては、業種や企業文化の影響を受け、また、具体的な判断については、行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによっても左右される部分もあると考えられるため、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にする取組を行うことが望ましい。」
と提案している。
そして、具体的対策を会社内で立案する際の参考として次のように提案しています。
予防措置
職場のパワーハラスメントを予防するために
トップのメッセージ
組織のトップが、職場のパワーハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に示す ルールを決める
就業規則に関係規定を設ける、労使協定を締結する
予防・解決についての方針やガイドラインを作成する
実態を把握する
従業員アンケートを実施する
教育する
研修を実施する
周知する
組織の方針や取組について周知・啓発を実施する
解決措置
職場のパワーハラスメントを解決するために
相談や解決の場を設置する
企業内・外に相談窓口を設置する、職場の対応責任者を決める
外部専門家(産業カウンセラーなど)と連携する
再発を防止する
行為者に対する再発防止研修を行う
以上が、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」の概要です。参考にして対処してください。
参考資料
職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告
職場のいじめ・嫌がらせに関連すると考えられる裁判例
(厚生労働省の職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告参考資料より)

もし「パワハラ・いじめ」の被害者から対処法に関しての相談があった場合、相手(加害者)に、きっぱりと「NO」の意思表示を行うことを勧めるとともに、下記の例を参考に、相談者に合った対処法を選んで実践してもらうことが大切です。
(1) 信頼できる家族や友人に話を聴いてもらうこと
 「パワハラ・いじめ」を受け続けていると、「自分にも問題があるのでは」と不安になり、自尊心が低下し、精神的に不安定になり仕事でもミスを起し、加害者につけ入る隙を与えてしまい、悪循環に陥りやすくなります。
信頼できる家族や友人に話を聴いてもらって「あなたは悪くない」と言ってもらうことが何より必要です。
(2) 多くの選択肢を見つけて心の逃げ場をつくること
 転職という選択肢を含め、趣味の活動、資格取得など、多くの選択肢を探して心の逃げ場を作っておくことが大切です。「いまの仕事を続けるしかない」と思い込むと、ますます追い詰められます。
ただし、食べ物やアルコール、ギャンブルで発散する方法は、依存症になるリスクがありますから、避けたほうが無難です。
(3) 心身の休養を優先し辛いときは思い切って会社を休むこと
 会社に行くのが苦痛に感じるときは、思い切って休んでしまうのも一つの方法です。加害者は、あなたが休もうと出勤しようと、「パワハラ・いじめ」を繰り返すに違いないからです。
(4) 信頼できる上司や人事担当者に相談すること
 加害者の上司や人事担当者に思い切って相談してみましょう。的確な相談に乗ってもらうため、事前に内容をまとめ、メモしておくことが有効です。
(5) 症状がある時は専門医に相談すること
 眠れない、食べられない、抑うつ感、パニック発作などの症状が見られるときは、早めに心療内科などの医師に相談しましょう。適切なアドバイスがあれば症状改善に繋がります。
(6) 感情を言語化すること
 不安や怒りなど様々な感情を、ノートに書き留めたり信頼できる人に聴いてもらうなどして、言葉にするようにしましょう。心の中の感情の言語化は新たな気づきに繋がります。
(7) 加害者とのやりとりを記録しておくこと
 万が一の事態に備え、加害者とのやりとりを記録します。加害者の中には、後で都合のいいように話をねじまげてしまう人もいますので、その意味でも記録を残しておくことは有効です。また、記緑することで加害者の行動パターンの理解にも繋がり、防御策が見えてくる可能性もあります。
(8) リラクゼーションの時間をつくること
 深呼吸して軽く身体を動かしたり,ぬるめのお湯にゆっくりつかるなど、意識してリラクゼーションの時間をっくるようにしましょう。心と身体は繋がっていますから、身体の緊張をほぐすことで心の緊張感もほぐれるでしょう。
(9) 大きな決断をするときは慎重に
 「パワハラ・いじめ」の被害によって心や身体が消耗しているときは、人生にかかわる大きな決断は避けたほうが無難です。気力や思考力が落ちているときの決断は、後で後悔するケースが少なくないからです。どうしても決断する必要があるときは、信用できる人に相談したり時間をかけて考えるようにして、くれぐれも慎重にして下さい。

最近、職場における負荷が原因で、精神障害になり労災保険給付を請求するケースが増えています。
厚生労働省が発行しているパンフレット「精神障害等の労災認定」に基づき説明します。
労災認定の要件は次の通りです。
認定基準の対象となる精神障害を発病していること
認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、客観的に当該精神障害を発症させるおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること
業務以外の心理的負荷および個体側要因により当該精神障害を発症したと認められないこと

1.認定基準の対象となる精神障害

認定基準の対象となる精神障害は、下表の国際疾病分類第10回修正版(ICD-10)第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類される障害で、認知症(F0)およびアルコールや薬物による障害(F1)は除きます。業務に関連して発症する精神障害の代表的なものはうつ病(F3)や急性ストレス反応(F4)などです。
分類コード 疾病の種類
F0 症状性を含む器質性精神障害
F1 精神作用物質使用による精神および行動の障害
F2 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害
F3 気分「感情」障害
F4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害
F5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
F6 成人のパーソナリティおよび行動の障害
F7 精神遅滞(知的障害)
F8 心理的発達の障害
F9 小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害、特定不能の精神障害
2 業務による強い心理負荷の認定基準
むね6か月の間に起きた業務による出来事について「業務による心理的負荷評価表」により「強」と評価される場合、前述の認定要件②を満たします。
A) 別表1の特別な出来事に該当する出来事が認められた場合には、心理的負荷の総合評価を「強」とします。
B) 別表1の特別な出来事に該当する出来事がない場合
以下の手順により心理的負荷の強度を「強」「中」「弱」と評価します。
イ) 「具体的出来事」への当てはめ業務による出来事が、別表1の「具体的出来事」のどれに当てはまるか、あるいは近いかを判断します。
なお、別表1では、「具体的出来事」ごとにその平均的な強度を、強い方から「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」と示しています。
ロ) 出来事ごとの心理的負荷の総合評価
当てはめた「具体的出来事」の欄に示されている具体例の内容に、事実関係が合致する場合には、その強度で評価します。
事実関係が具体例に合致しない場合には、「心理的総合評価の視点」の欄に示す事項を考慮し、個々の事案ごとに評価します。
ハ) 出来事が複数ある場合の総合評価
(ア) 複数の出来事が関連して生じた場合には、その全体を1つの出来事として評価します。原則として、最初の出来事を具体的出来事として別表1に当てはめ、関連して生じたそれぞれの出来事は、出来事後の状況とみなし、全体を評価します。
(イ) 関連しない出来事が複数生じた場合には、出来事の数、それぞれの出来事の内容、時間的な近接の程度を考慮して全体を評価します。
下記の表参照
「強」 「中」または「弱」 「強」
「中」 「中」または「中」が複数 「強」又は「中」(注
「中」 「弱」 「中」
「弱」 「弱」 「弱」
C) 長時間労働がある場合に評価方法
長時間労働に従事することも精神障害の発病の原因になることから、長時間労働を次の点から評価します。
イ) 「特別な出来事」との「極度の長時間労働」
【「強」になる例】
・ 発病前の1か月におおむね160時間以上の時間外労働を行った場合
・ 発病前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
ロ) 「出来事」としての長時間労働(具体的出来事16)
【「強」になる例】
・ 発病前の2か月連続して1か月あたりおおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
・ 発病前の3か月連続して1か月あたりおおむね100時間以上の時間外労働を行った場合
ハ) 他の出来事と関連した長時間労働
(恒常的時間外労働が認められる場合の総合評価)
出来事が発生した前や後に恒常的な時間外労働(月100時間程度の時間外労働)があった場合、心理的負荷の強度を修正する要素として評価します。
【「強」になる例】
・ 転勤して新たな業務に従事し、その後100時間程度の時間外労働を行った場合
上記労働時間数は目安であり、この基準に至らない場合でも、心理的負荷を「強」と判断することがあります。
※ここでの「労働時間」は、週40時間を超える労働時間をいいます。
D) 評価期間の特例 認定基準では、発病前おおむね6か月の間に起こった出来事について評価します。 ただし、いじめやセクシャルハラスメントのように、出来事が繰り返されるものについては、発病の6か月よりも前にそれが始まり、発病まで継続していた時は、それが始まった時点からの心理的負荷を評価します。
3 業務以外の心理的負荷による発病
「業務以外の精神負荷評価表」(別表2)を用い、心理的負荷の強度を評価します。
「Ⅲ」に該当する出来事が複数ある場合などは、それが発病の原因であるといえるか、慎重に判断します。
4 個体側要因による発病
精神障害の既往歴やアルコール依存状況などの個体側要因については、その有無とその内容について確認し、個体側要因がある場合には、それが発病の原因と言えるか、慎重に判断します。
5 自殺の取り扱い
業務による心理的負荷によって精神障害を発症した人が自殺を図った場合は、精神障害によって、正常な認識や行為能力、自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態に陥ったもの(故意の欠如)と推定され、原則としてその死亡は労災認定されます。
6 「発病後の悪化」の取り扱い
業務以外の心理的負荷により発病し、治療が必要な状態にある精神障害が悪化した場合は、悪化する前に業務によって心理負荷があっても、直ちにそれが悪化の原因であるとは判断できません。
ただし、別表1の「特別な出来事」に該当する出来事があり、その後おおむね6か月以内に精神障害が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合に限り、その「特別な出来事」による心理負荷が悪化の原因と推認し、原則として、悪化した部分について労災補償の対象になります。
7 「治ゆ(症状固定)」について
労災保険における「治よ」とは、健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の状態が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態(傷病の症状回復・改善が期待できなくなった状態)をいいます。
したがって、精神障害につても、「症状が残存しているが、これ以上医療効果が期待できない」と判断された場合には、「治ゆ」(症状固定)となり、療養(補償)給付や、休業(補償)給付が支給されません。
通常の就労(1日8時間の勤務)が可能な状態で「寛解(かんかい)」の診断がなされている場合は治ゆの状態と考えられます。
なお、治ゆ後、症状の変化を防止するに長期間にわたり投薬などが必要とされる場合には「アフターケア」を、一定の障害が残った場合には障害(補償)給付、うけることができます。